【第二子出産】経産婦の計画無痛分娩レポート

2024年6月に第二子を出産しました。

第一子の長男は普通分娩で出産しましたが、第二子は家族の状況などを鑑みて計画無痛分娩を選択しました。今回はその出産レポートです。

計画無痛分娩とは

「計画無痛分娩」とは、あらかじめ分娩する日(予定日)を決めて出産する方法をさします。予定日に陣痛促進剤を使って陣痛を起こし、人工的にお産を始める無痛分娩です。

同じ無痛分娩でも計画無痛分娩は「誘発陣痛」通常の無痛分娩「自然陣痛」といった点に違いがあります。

欧米ではすでに、無痛分娩が主流となっている国もあります。

しかし日本では、あまり普及していないのが現状です。

出産に占める無痛分娩の割合は2008年の2.6%(厚生労働省研究班)から2020年は8.6%(厚生労働省の実態調査)と3倍以上に増加しており、無痛分娩が少しずつ認知されてきています。

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計画無痛分娩にした理由

無痛分娩を経験してみたかった

長男の出産で普通分娩の痛みは経験していたので、無痛分娩はどれくらいの痛みで産むことができるのか、単純に興味がありました。

家族で出産に備えるため

第二子の妊娠がわかった時は長男と同じように自然に陣痛が来るのを待つつもりでした。しかし、出産前後の家族のスケジュールを考えた時に、いつ陣痛が来るのかわからない状態では夫と実母の仕事の調整が難しいことに気づきました。

また、わたしの入院中は他県に住む義母に長男のお世話をお願いしていました。そのため、突然陣痛が来たり破水してしまった場合に対応できないので出産日がある程度わかっている必要がありました。

入院から出産まで

38週の妊婦検診で入院日を決めることになりました。わたしが出産した産院では計画分娩の予約を入れられる人数が限られていたため、入院日は検診日から4日後に決まりました。

入院当日は7時までに朝食を済ませ、長男を義母に任せて8時半に夫と病院へ行きました。夫は病院入口まで付き添ってくれました。看護師さんに部屋に案内され、荷物を置いて着替え、トイレを済ませるように指示されました。その後、陣痛バッグを持って分娩室へ移動しました。

バルーン挿入

分娩室に入ると点滴とNSTをつけられ、バルーンを挿入します。「バルーン」の名の通り、風船をつかって子宮口を開くのだそうです。わたしは入院した時点で子宮口が2センチ開いていたからか経産婦だからか、あまり痛みを感じずお腹に少し違和感があるくらいでした。

処置後はバルーンが自然に外れるまで部屋で待機していました。待機中は生理の時に感じるような腰の痛みやだるさを感じました。時々、担当の助産師さんが様子を見に来てくれますが基本的にはひとりで過ごします。スマホで動画を見たり家族と連絡を取ったりしながら時間を潰しました。身体を動かすように言われたので分娩室の中を歩いてみたりストレッチしてみたりもしました。

バルーンは、1時間から2時間ほどでトイレへ行った時に外れました。外れるときは特に痛みはありませんでしたが異物感はありました。

陣痛促進剤

陣痛促進剤は点滴から入れられました。点滴量を管理できる機械がついていて、最初はほんの少量から始めます。それまでの腰痛に加えてお腹の張りを感じました。お産の進みや赤ちゃんの様子を見ながら、少しずつ促進剤の量を増やしました。

麻酔前に食事

食事は麻酔を入れる2時間前までならOKとのことで、バルーンをいれてからの様子を見た助産師さんが軽食を持ってきてくださいました。あたたかいパンを2個とりんごのジュレ、パックジュースをいただきました。

このときはもうすでに重い生理痛くらいの痛みを感じるようになってきました。食事は問題なく取ることができました。

昼前には子宮口が5センチとさらに開いてきているとのことで、麻酔を入れる準備をしていくことになりました。このタイミングで夫に病院へ来る準備をするよう連絡しました。

背中から麻酔を入れる

痛みのレベルは1〜10までで数値化するように言われていました。10は長男を出産したときに経験した、いちばん痛かったときの痛みを基準にしました。麻酔は2か3くらいになってきたときに初めて入れました。痛いけれどスマホを触ることはできるのが2、スマホを触っている手が止まるのが3、声が出るくらいの痛みが4といった感じです。痛みの数値化は個人差があると思います。

背中に麻酔を入れるのが本当に怖かったです。先生と助産師さんの二人がかりでわたしの体を動かないように押さえつけて麻酔を入れてもらいました。最初に、麻酔を刺すための麻酔を注射してもらうので、チクッとした痛みを感じたあとは痛みはありませんでした。

麻酔を入れたタイミングで夫に病院に来てもらいました。麻酔をすると尿意を感じづらくなるとのことで、助産師さんに導尿をしてもらいました。出産までに2回ほど導尿してもらったと思います。痛みはありません。

麻酔はボタンを使って追加できる

背中に指した管から麻酔が定期的に投与されていくのですが、それだけでは痛みが取り切れない場合に自分で麻酔を追加できるよう、ボタンを渡されました。タイミングによってはボタンを押しても麻酔を追加できないこともあるそうです。

痛みレベルが3になってくると、点滴から一度に入る麻酔の量が追加されました。わたしはこのときの麻酔が効きすぎてしまい、動悸や悪寒、全身の倦怠感におそわれ30分くらいしんどい時間がありました。それでも、痛みは取り除かれたので副作用が無くなるとだいぶ楽になりました。

正直、このときの副作用が今回の出産でいちばんしんどかったです。

長男の出産時にいちばんの痛みを経験しているので、痛みレベル3の段階で麻酔を追加することになんとなく後ろめたさを感じていました。まだ耐えられるのに麻酔を追加してなんだか赤ちゃんに申し訳ないな…と思っていました。しかし助産師さんから「痛みを感じないようにするために麻酔をするのだから気にしなくていい」と言われて少しスッキリしました。

麻酔の効きチェック

麻酔が効いているかどうかは、消毒用のアルコール綿や保冷剤でチェックされました。お腹、胸、太もものあたりを何箇所触れられて、冷たさを感じるかどうか尋ねられました。麻酔が効いていると、冷たさを感じにくい、もしくは触れられていることがわからないような状態になりました。

陣痛の波を感じない

陣痛が強くなってくると、自分で次の陣痛が来るタイミングがわかるようになってきますよね。麻酔がよく効いている間はあまり陣痛の波を感じませんでした。NSTをずっとつけているので、陣痛の波が来ていることは視覚的にわかるのですが、大きな波が記録されても自分ではほとんどわかりませんでした。

助産師さんにしょっちゅう「これ、麻酔入れなかったら相当痛い時間ですよね」と会話していました。夫や助産師さんと世間話に花を咲かせたり、時にはお昼寝をしたりしてしまうくらい、精神的にも体力的にも余裕がありました。

破水

麻酔をしてしばらく経ってから、破水しました。麻酔が効いているので破水したことに気づくことはありませんでした。内診の時に、言われてみればすごく濡れているような気がする…と思ったくらいです。実際は背中まで汚れてしまっていたそうですが全くわかりませんでした。助産師さんがケアしてくださいました。

ついに出産!

お産が進んでくると、麻酔を入れていても少しずつ痛みを感じるようになってきます。定期的に先生や助産師さんが内診をしてお産の進み具合や麻酔の効き具合をチェックしてくれました。14時を回ってから、なかなか子宮口が開いてこなかったので少し不安だったのですが、16時ごろの内診で先生から「子宮口全開だね。痛い?今から麻酔追加しても間に合わないから産んじゃおう!」と言われ、分娩室が急に慌ただしくなりました。

分娩室の外で先生の診察を待っていた夫が分娩室がバタバタしている様子に驚いていました。私自身、出産は夜くらいになってしまうかなと予想していたので心の準備ができていない状態での出産となりました。

バタバタと準備している間は痛みレベルが3だったのですが、いきむよう指示されたときには急に強い痛みを感じ、痛みで声が出るほどでした。ですが、お腹にあまり感覚がないのでいきむ時にどこに力を入れたらよいのかがわからなかったのは少し困りました。結局産まれるまでいきみ方がよくわからないままでした。

しばし休憩

出産後、赤ちゃんの測定などをしてもらっている間に、わたしのケアもしてもらいました。内診が終わったあとは全身を温かいタオルで拭き、新しい入院着に着替えさせてもらえたので、さっぱりとしました。赤ちゃんのケアが済んでから、2時間ほどはそのまま分娩室で夫と赤ちゃんと3人で過ごしました。赤ちゃんと触れ合ったり写真を撮ったり家族に連絡をしたり、ゆっくり過ごすことができました。

麻酔の痕が痒い!

背中に刺しているカテーテルは出産日の夜にはずしてもらえたのですが、数日の間麻酔を刺していたあたりがむずむず痒かったです。無痛分娩をするとよくあることだと言われました。また、麻酔の副作用で頭痛やしびれが残ることがあると説明されていましたが、わたしはどちらもありませんでした。

普通分娩とのちがい

無痛分娩と普通分娩を比較して、私なりに感じたちがいについてご紹介します。

痛み

「無痛」とはいえ痛みがないわけではありません。促進剤をいれて陣痛を起こし、バルーンを入れて抜けるまでは生理痛のような痛みが続きました。陣痛が来てから来院して麻酔を入れる場合でも最初は痛みがあるでしょう。

また、麻酔を入れてから効くまでのスピードよりお産の進みが早ければ、麻酔が間に合わずに痛みを感じることもあります。その都度、痛みの具合を伝えれば麻酔の追加をしてもらうことはできますが、すぐに痛みがなくなるわけではありません。

それでも麻酔が効いてこれば痛みは0に近くなります。先ほど読んでいただいた通り、わたしが出産で感じた痛みレベルの最大は4でした。普通分娩のマックスの痛みを10とすると半分以下の痛みということです。

食事制限

普通分娩では陣痛中にも通常通り食事や水分摂取をすることができましたが、無痛分娩では制限がありました。麻酔を入れる前には食事制限がありますし、産後もすぐに食事をとることができません。水分についても、お茶や水、スポーツドリンクのみと指定されました。

普通分娩の際は、産後すぐに分娩台で食事を取った記憶があります。とても疲れていたので、ぺろりと平らげてしまいました。今回の出産では2時間半くらいは食事を取ることができませんでした。

産後の疲労感

出産のダメージはたしかにありますし、疲れがゼロというわけにはもちろんいきませんが、産後の身体の重さが全く違いました。しばらく分娩台で休む時間がありましたが、痛みがないので眠ってしまったほどです。

計画無痛分娩を経験して

計画無痛分娩、選択して良かったです。

出産の痛みを経験することで母親としての愛情や自覚が持てる、と言う考え方もあるようですが、そんなことはありません。普通分娩で出産した長男も、無痛分娩で出産した長女も変わらず愛情を持てていますし、母親としての自覚もきちんとあります。そもそも、取り除ける苦痛なら経験しなくていいのではないでしょうか。第一子の麻酔なしでの出産を後悔する気持ちはありませんが、無痛分娩で産めていたら産後の精神的な余裕がもう少し大きかったのかな、と思います。

妊娠中、麻酔を入れるということで、赤ちゃんや母体に危険がないのかと漠然とした不安がありました。そのため、産院で行われていた勉強会や自分での情報収集、夫婦でコミュニケーションを取ることで解消するよう努めました。どんな分娩方法を選択するにしても、夫婦で話す時間を持つことは大切だと思います。

出産前は『産まれる日は赤ちゃんが決める』という考えを持っていたので、計画分娩を選択することに少し迷いがありました。しかし、振り返ってみると、計画分娩を選択したおかげで、家族みんなに協力してもらって、万全の状態で出産を迎えることができたと思います。

もし三人目を産むなら…

もしも、もう一回出産をすることになったとしたら私は計画無痛分娩を選択します。

退院後はすぐに3人の子育てや主婦業に復帰しなければなりませんから、自分の身体を少しでもはやく普段の状態に戻すことができるようにするはずです。